先日紹介した防災手帳では、備蓄品として様々なものが紹介されています。こうしたもの中には、防災を目的として購入しなければならないものもありますが、普段から使用するものもあります。この普段から使用するものについては、ちょっとした工夫で簡単に備蓄することができます。
今日は、我が家でも実践している簡単な備蓄方法「ローリングストック」を紹介します。
ローリングストックって、どんなことをするの?
防災の本では、災害に備え、食料や物資を備蓄する方法として、ローリングストックというものが推奨されています。あまり聞き慣れない言葉なので、具体的には何をすればいいのかわかりにくいのかもしれません。簡単に言うと、「買い置き」です。
あまり買い置きはしないというご家庭でも、一定の食料や物資はあるのではないでしょうか。この買い置きを有効に活用して災害に備えようとする考え方が「ローリングストック」です。普段の生活に必要な食料や日用品を少し多めに買い置きし、古いものから順に使い、使った分は新しく買い足して、常に一定の買い置きがある状態を保っていきます。
この方法だと、「備蓄」のように、災害に向けて特別に対応しているというような億劫さもありませんし、普段の生活で使用することで、一定の期間で新しいものに変わっていくので、賞味期限や使用期限があるようなものでも、あまり期限を意識する必要なく備えることができるようになります。こうしたことから、多くの専門家も「ローリングストック」を推奨しています。

どのようなものを備蓄するの?
普段から買い置きしているようなものが、ローリングストックの対象となるわけですが、我が家では、水、食料(カップラーメン、乾麺、レトルト食品、缶詰)、カセットボンベ(カセットコンロ2台)、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどを買い置きしています。
家族の構成などで変わるものなので、ご家庭の状況に合わせて、ローリングするものを考えていただければと思いますが、参考までに、防災手帳で紹介されているもの、我が家の事例をご紹介しておきます。表の「R」の欄に○がついているものが、ローリングストックで対応しているものです。こうして見ていただくと、災害への備えとして、特別に準備しなくても、かなりのものが、普段の買い置きプラスアルファで対応できることがわかると思います。

「もしも」から「いつも」へ
早いもので、東日本大震災から10年がたちました。ご家族を失ったり、家を流されたり、今もその影響の中にいる方もたくさんいると思います。心からお見舞い申し上げます。
日本では、多くの地域で大規模な地震が起こる可能性が指摘されています。しかしながらこうした地震が発生する頻度は、それほど高くないため、一生のうちで、2度も3度も大規模な地震を経験される方は少ないと思います。自分が経験すれば、「あぁすればよかった。」「こうしておけばよかった。」と次の災害に活かすこともできるかと思いますが、多くの人は、テレビや本、防災に関する講習会などから、災害の様子を知り、自分の身を守ることにつなげていかなければなりません。
10年前に、東日本大震災がありました。現在でも避難生活が続く大きな災害です。連日大きく報道され、多くの方が災害への備えの必要性を感じたことでしょう。では、実際、どのくらいの人が対策に取り組んだのでしょうか。住宅の耐震化や家具の転倒防止対策、家庭での備蓄など、身近なところで、やっておけばいいことはたくさんあるのに、まだまだ多くの人が取り組んでいない現状があるのではないでしょうか。
災害はいつ来るのかわかりません。いつ来るかわからない、自分が生きているうちに来るかどうかもわからないことに時間やお金を費やすことは無駄だと感じることもあるでしょう。しかし「その時」は、無情にもやってきます。
「やっておけばよかった。」 「やっておいてよかった。」
その差は、たった2文字でしかありません。前回の繰り返しになりますが、この2文字の違いであなたが生き残り、家族の命も助けられるかもわかりません。
災害に備えるための資料や本はたくさんあります。お役所からもいろいろなパンフレットやチラシが無料で出されたり、講演会や研修も開かれています。検索エンジンからこのページにたどり着いていただいた方は、今までにもそういう情報に触れる機会もたくさんあっただろうと思います。でも、まだまだ不十分だと思うことがあったり、紹介された内容が自分には難しいなぁと感じたり、やるのが無理だと思うところがあって、このサイトをのぞいていただいたのではないかと思います。
今後も、無理をしない防災対策を紹介していきたいと思っています。
基本的な内容は、我が家で取り組んできたことのご紹介です。皆さんの家庭と何ら変わらない、普通の家庭です。普段の生活の中に少しだけ工夫や準備を行う気持ちを持ち、できることをコツコツと、少しずつ取り組んでいただければ、災害に対する備えを充実させることができます。無理することなく、自分と自分の家族の命を守り、あなたと家族の命を守るために必要なことをご紹介していきますので、よろしくお願いします。
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