先日、Amazonから電子書籍を出版してみました。
以前から興味はあったのですが、どれだけ手間がかかるのか、どんなソフトが必要になるのか、費用は、など、やってみるまでの障害がいくつかあって、ほったらかしになっていました。でも、実際にやってみると、それほど手間がかかるものではありませんでしたし、新しいソフトを買い足すことなく、基本Wordだけで対応することができました。
今回は、実際に私がAmazonでKindle本を出版した経験を元に、原稿作りの流れをまとめてみました。Kindle出版に興味はあるけれど、どんな手間がかかるかわからないという方に参考にしていただければと思います。
一通り、内容を確認いただければ、簡単に原稿が作れます。
Kindle本には2つの型がある
Kindle本には、リフロー型と、固定レイアウト型の2つの型があります。まずは、自分が書きたいと思っている内容が、どちらの形式に向いているかを確認する必要があります。それぞれの型の特徴、適する内容は次のような感じです。
リフロー型
本を読む方の環境に合わせて、フォントサイズやレイアウトが変更される形式です。1ページに表示される内容が決まっていないので、文字を大きくすれば、自動でページ数が多くなりますし、その逆も可能です。文章がメインの内容に向いています。
固定レイアウト型
リフロー型とは異なり、すべてのディバイスで同じように表示されます。スマホで表示しても、タブレットで表示しても、1ページに表示される内容は同じなので、画面サイズの小さなものではいちいち拡大表示しないと、見にくい状況が生まれます。ただ、表示の形式が崩れることがないので、図を多用しているものや、写真集、漫画などは、この形式が適しています。
リフロー型、固定レイアウト型とも、無料のソフトで作ることができるようですが、データの作成自体は、リフロー型の方が簡単です。今回は、リフロー型で出版していますので、以下は、リフロー型での説明になります。
準備するもの
今回、私がkindle出版に使用したソフトは、次のようなものです。
- Microsoft Word(Google Documentでも可能)
- Kindle Previewer 3(Amazonから無料でダウンロード可能)
- Canva(表紙の作成に使用、無料での使用も可能)
我が家は、Microsoftのサブスクリプションを契約していますので、Wordを使用していますが、Google Documentでの作成も可能です。作成した原稿は、Amazonが提供しているKindle Previewer 3というソフトで、プレビューし、表示などを確認することができます。ただ、Wordのバージョンの問題はあるかもしれませんが、サブスクリプションで提供されている最新のWordの場合、表示がおかしくなるようなところは全くありませんでしたので、試すためには有用ですが、継続的には使わないかなと感じました。
Kindle Previewer 3は、Amazonから無料で提供されています。はじめて原稿を作ってみるという方は、使用してみて、原稿作成に使っているソフトとKindleの相性を確認した方がいいかなと思います。基本は、この2つのソフトで原稿を準備することが可能です。
Wordで作成した原稿だけでは、Kindle本になったとき、残念な表紙しか表示されないので、市販の本らしい表紙にするために、Canvaを使っています。Canvaは、サブスクリプション契約もあるものですが、無料で使用できる範囲でも、十分なデザインを作ることができるので、お勧めです。こちらについては、また別の機会に紹介したいと思います。
原稿の作成
原稿は、Wordで普通に作成します。
リフロー型の場合、読者が使用するディバイスに合わせてフォントサイズ等が変更されますので、デフォルトの書式設定のままで大丈夫です。Kindle本は、縦書き、横書きともに対応していますので、どちらを選んでも大丈夫です。
スタイルの設定
縦書き、横書きの選択を終えたら、「スタイル」の設定を行います。スタイルを使用すると、文書全体に一貫した書式の設定を簡単に適用できるようになります。また、見出しや本文を設定しておくと、目次を自動で作成することもできるようになりますし、見た目も整います。加えて、ナビゲーションを表示させると、執筆も楽になりますので、少し面倒な作業ですが、大事な作業です。

参考に、「お金に困らない小さな工夫」のスタイル設定後の表示をご紹介しておきます。

気に入ったスタイルを設定できれば、原稿を執筆する前に、ファイルを保存しておきます。そうすることで、同じスタイルを使い回すことができますので、2冊目以降、この作業を省略できるようになります。
スタイルの変更方法
スタイルの変更方法は、「スタイルの変更」ダイアログボックスから変更する方法と、文書内の書式設定と一致するようにスタイルを更新する方法の2つあります。
先に自分で納得するデザインを作ってスタイルに登録するなら、「選択箇所と一致するように~更新する」を使用し、例えば、参考とするスタイル例を入力するなら「変更」を使います。

設定できる書式は、Wordで使用できるものは、基本的に使えますので、フォントのサイズや段落番号だけでなく、罫線や網掛け、文字の効果なども設定することができます。

目次の自動作成
本文を記述する際に、見出しや本文といったスタイルを設定しておけば、目次を自動で生成することができます。「参考資料」から「目次」を選びます。

リフロー型では、ユーザーの環境に合わせてページ数が変化してしまうため、「ページ番号の代わりにハイパーリンクを使う」のチェックを入れておきます。今回、見出し2まで目次にしましたが、これは、本の内容に合わせて設定すればいいと思います。

ここまで作業を行っていただければ、本になるイメージがわいたのではないかと思います。スタイルさえ設定してしまえば、後は、本としての体裁をWordが作ってくれます。
ナビゲーション
あと追加でご紹介しておきたい機能が、ナビゲーションです。
ナビゲーションを使用すると、執筆作業がとても楽になります。先ほど、目次の設定画面でも左側に表示されていますが、見出しの位置を表示してくれます。
項目をクリックすれば、そのページにジャンプすることができますし、ドラッグすれば、位置を移動させることもできます。本をまとめていると、別のところにおいた方が収まりがいいと感じて、書いた文書を移動させることがあったりしますが、その部分を選択して、カット&ペーストするのは、それなりに手間がかかります。その作業を、ドラッグだけでやってくれますので、非常に助かる機能です。

表示の中にあるナビゲーションウィンドウにチェックを入れるだけで表示できますので、必ず、チェックを入れておきましょう。

まとめ
ちょっとした文書を作っているだけだと、スタイルになじみがないかもしれませんが、Wordを使いこなす上で、とても便利な機能なので、覚えておいて損はないと思います。スタイルさえ設定できれば、自分の思ったデザインの本ができあがるといっても過言ではないと思います。
見出し、本文を使い分ければ、目次は自動で生成されますし、ナビゲーションウィンドウも使用できるようになります。これで、執筆作業も楽になりますし、編集も簡単に行えるようになります。
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