6月7日にリリースされていたのですが、7月19日から、auカブコム証券の手数料制度が大幅に変更になります。信用手数料が無料で、品受、品渡が有料といった他社とは全く異なる手数料体系だったものが、今回の改定によって、ほかのネット証券とあまり違わない形になります。
これまで取り扱いのなかった一日定額コースも新設されますし、クロス取引を行う場合の実質的な手数料は、大幅な引き下げになります。auカブコム証券は、一般信用で売りが可能な銘柄が多く、株主優待をクロスで取得するために活用している方も多いかと思いますので、今回は、手数料改定の概要、auカブコム証券を活用する際の注意点をご紹介したいと思います。
個別取引の手数料(ワンショット手数料コース)
まずは、現物取引の手数料です。

続いて、信用取引の手数料です。

無料だったものが、値上げされているかのように見えますが、auカブコム証券は、信用取引は無料でも、品受、品渡に手数料を設定していました。このため、クロス取引を無料で行うことはできませんでしたし、この品受、品渡手数料は、他社でクロス取引を行う場合と比較すると、高めに設定されていました。下記の表が、これまで適用されてきた手数料です。

取引額が大きくなればなるほど割引率が上昇し、250万円を超えると75%引き、なんと4分の1の手数料になりました。このぐらいの金額銘柄はそれほど多いわけではありませんが、往復で1,650円のプラスになるのですから、効果は非常に大きいです。貸株料、手数料を比較し、他社で現物を購入し、auカブコム証券に移管していた方もいると思うのですが、そのような手間をかけなくても、auカブコム証券だけで完結しても十分と思えるようになったと思います。これに加え、他社にはあった一日定額コースも新設されました。
一日定額コースの手数料

SBI証券よりは高い設定となっていますが、楽天証券と同額です。コースの切り替えは簡単にできるようなので、2月や3月、8月や9月のようにクロスできる銘柄が多いときに利用すると、さらに有利になると思います。
今後は、プレミアム料に注意
あえてなのかもしれませんが、auカブコム証券が作成した比較表には、GMOクリック証券がでていません。手数料だけを見れば、GMOクリック証券が最安です。ただ、GMOクリック証券は、一般信用で売りが可能な銘柄が少ないこと、長期の貸株料が高いということがあり、人気のある銘柄を早めにクロスすると、貸株料負けしてしまいます。その点、auカブコム証券は、一部の銘柄をのぞき、貸株料も良心的でしたので、これまでの貸株料であれば、今回のauカブコム証券の手数料見直しによって、株主優待をクロス取引で取得する場合は、基本的にauカブコム証券でやればいいといえるくらいによくなったと思います。
ただ、今回の改定で、プレミアム料というものが新設されています。7月なので、まだよく分かりませんが、人気のある銘柄に高額な料金が上乗せされると、手数料の値下げ分が引き飛んでしまうということも考えられます。これまでは、新規売建可能数量だけをチェックしていればよかったのに、プレミアム料もチェックしなければならなくなりました。一応毎日発表されるようですが、変動する幅やタイミングも不明ですので、まずは8月の優待銘柄でどのような動きになるのか確認してみようと思います。まだクロスできるやと飛びついて、びっくりするようなプレミアム料を払うことのないよう、注意していきましょう。
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